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| A5版・208ページ 価格:1,300円(税込) 発売発行:株式会社白夜書房 ISBN:4-86191-108-7 |
出久根達郎の本にそんなことが書いてあった。ここでいう本屋とは、たぶんどんな町にも1軒や2軒はあった普通の本屋さん(子供が立ち読みしてるとすぐ怒る)のことを指しているんだろう。
小学4年のときだった。せっついて、出不精の親父をひっぱりだした。町の本屋さんへ連れていき、『少年画報』という月刊漫画雑誌を買ってもらった。小脇にはさんで、ご機嫌だった。チョコボール菓子もねだって(これは今でも売っているが)、歩きながら食べようと封を解いたら、その菓子の箱から金のくちばしが出てきて大当たり。興奮した。これを製造元に送るとおもちゃの缶詰がもらえたんである。
翌日は月曜日で、学校に行ったら担任のS先生が「お前きのう俺とすれ違ったのに挨拶もしなかったな」と言った。当り前じゃんか、嬉しくて舞い上がっていたんだから。と、まあ、そんなたわいないことを覚えているってのは、その後の道のりの淋しさ不甲斐なさの裏返しか。
昨年12月15日、ムック本『ボクサー亀田興毅の世界』が発売された。定価1,300円は読者にはちと痛いが、手にとって、亀田の面白さ、ボクシングの奥行き、それから、編集者、乾坤一擲(けんこんいってき)の心情を、多くの人が感じて…とどのつまりは買っていただかないと、お話にならない。
ノエル・アランブレット戦のレポートが巻頭カラーで掲載されているが、これだって製作途中の試合であり、亀田に勝っていただかないとお話にならないと、編集者は気をもんでいたに違いない。
そのアランブレット戦は、亀田のガードのやわらかさが目についた。もっとガチガチなはずがふわりとした感じで、それは亀田が相手のパンチ力とハートとを見切ったからだと思いながら試合を見ていた。
関門をひとつ抜けたことで、その評価が過小から過大に転じたように思う。それはどうでもいいが、亀田興毅はまだ「本当の勝負」をしていない。名だたる者と戦い、結果を出しても勝負が見えてこない…つまるところ世界戦だけが彼の勝負どころであり、「世界の亀田」になるかどうか。この一点をみんなが見守っている、そんなボクサーになりつつある。こんな思いは浜田剛史以来。
ともかく亀田の活躍を予見した本として、そのさきがけとして、この『ボクサー亀田興毅の世界』は近い将来、貴重な資料に、お宝になる、かもしれない。なんねーか、なるだろ、なんねーか、どうだ、なるだろ、むりか、どうだ。亀田しだいか。
そんなことはないはずだが、万一、売れないとたちまち返品になって在庫になる。在庫はなぜか利益とみなされて税金がかかるから、返品された本はそうそうに処分しなければならない。ビジネスの世界は厳しい。
気がつけば発売から1カ月が過ぎた。すこし手伝った(P.184)ので“まわし者”として自分も声を大にして言っておこう。
まだの人は急ぐべし! 買われた人も、用心に(?)もう1冊どうだろう。
[2006/01/17 記]