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■酔田振男の酔いどれ前のひとりごと■

〜『酔いどれオマージュ』をなんとなく書いた男の、ちょっとだけマジメなひとりごと…〜

vol.69 もうひとりの敵


 いやー、またまたしばらくでした。あけましておめでとうございます。また本年もよろしくです。

* * * * *

 昨年暮れの女子フィギアスケート全日本選手権は、息をのむ緊張があった。人気実力いちばんの安藤美姫が調子を落としていたものの、15歳の浅田真央はあいかわらずシャープで安定していて、そのジャンプは春風にくるくる回る風車だった。

 安藤・浅田両選手、二人のスター選手を見ていて、年が明けても気にかかっていることがあって、なんていうかなあ…浅田にはまだ敵があらわれず、天真爛漫、欣喜雀躍、でもって喜色満面、いっぽうの安藤は予期せぬ敵の来襲にとまどって立ち往生。

 勝手な推量だがそれは成長の過程で遭遇する体の変化で、でもって困っている、そんな印象を受けた。

 なんでそんなことを思うのか。

 現JBスポーツジムの高橋直人会長が・・・彼の話題はくどいか、ま、いっか、その昔、スターボクサーだったとき、今里光男を連破したとき、まるで光の国から来た超人だった。世界へつながる道を邁進してゆくと思った。

 しかしそれも束の間、小林智昭選手にボコボコにされた。わずか数カ月で別人になっていた。戦いぶりのあまりの落差が信じがたかった。

 小林サイドにスポットを当てれば、彼の努力や忍耐が浮かびあがり、勝つべくして勝ったとなるが、ウルトラマンは負けないと思う者には、やはり受け入れがたい経過であり結果だった。

「どうしても体重が落ちなくなってしまった、そういう体に半年で変わってしまったんだ」

 勝負から18年後、縁あってご本人から真相を聞いた。これがずっと残っていて、たぶんフィギアスケートの安藤、浅田両選手に若き日の高橋直人が、変な感覚だけど、重なった。

 だからって安藤がだめだってわけじゃないし、浅田がだめになるってわけじゃない。

 真央ちゃんはちょっとおいておいて、五輪出場のミキティにはマスクでもしてゴホゴホやりながら

「ちょっと体調崩してますけどぉ、だいじょーぶでーす」

 なんてマスコミを煙にまいて(そんなボクサーが昔いたっけ)、いざ本番で4回転ジャンプやって世界をあっといわせちゃえと期待している。

 でもさ、マスコミもあんまりそばへ行かないでさ、もうちょっと離れてやりゃいいのに。

 なにはともあれ今年もまたボクシングはきびしいぞ。サッカーのワールドカップやトリノ五輪や大リーグやK-1やプライドやなんやかんやに押されっぱなしで、ますます影が薄くなるぞ。盛り上がっていますなんてボクシング番組の中では言われるけれど、それは内輪だけの話だぞ。

 ここらの事情をよーく見て、さてどうしようと腕組みしながら、船を漕ぐ。

[2006/01/10 記]



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