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堆(うずたか)いテープの山にあばれだしたくなったりしたが、コピーガードで撥ねられた数本を残して、長年連れ添ったテープがなくなった。
はじめは丁寧に編集していたつもりだが、どうせ自分しか見ないんだからと、すぐにぞんざいになった。まあそれでも一年かかった。WOWOWはCMがなくて収録時間もたいてい一定だから数があってもラクだったし、昔のテープは劣化して画質がおちていても動きがわかればそれで納得した。
困ったのはテープが切れてしまったものと、テープが癒着してビデオデッキが受け付けないものだった。こんなのが50本くらい残った。黙っていたら見られない。カビが発生しているやつはそれでデッキが受け付けるなら問題ではなかった。大事なのはハードよりソフトだ。
業者に頼めば解決するんだろうが、やっぱりお金がもったいないし、ここまで杜撰なダビング作業をしてきたから、いまさらかしこまって直すこともあるまいと開き直った。だめもとでビデオテープを分解した。
破棄するテープをあらかじめ数本分解してみた。ネジをはずして開いた途端、スプリングやらローラーやら、組み込まれていた部品がこぼれおちた。ずっと以前に幾度かトライして失敗した記憶がよぎる。
それでも今のボクシングの不人気ぶりや冷遇を考えると、もしかしたら二度と見ることはできない映像かもしれないと気合をいれて、な、大げさことではないんだが、腰をおちつけてみた。
5つのネジで止められている箱にすぎない、ということがわかるのにそんなに時間はかからなかった。要領がわかっている人にはつまらないことだが、以下、ビデオテープの修理方法を教えます、我流だけど。
はじめにビデオテープの背ラベルをはがして裏面のネジをはずす。背ラベルがはがれにくい場合はベンジンで湿らせればはがれやすくなるが、はがしにくければまあ無理してはがすこともない。蓋をあけてから真ん中で切ればいい。
ネジをはずしたら、ここが急所だけど、手にもったまま箱をあけないこと。ビデオテープの表面を上にして作業するテーブルに置く。このときすでに目の前のビデオテープはもはやビデオテープではなく、弁当箱と思うこと。中には丹精こめた手作りの弁当がはいっている。ゆっくり上蓋を持ち上げれば、中のお数やごはんが居住まいよろしく鎮座ましましている。仕組まれた部品が飛び出したりこぼれたりすることはない。海苔弁当だと蓋に海苔がはりついていたりしたものだが、ビデオテープの上蓋にはすぐに外れる部品はない。それからおもむろに不具合箇所を直せばいい。
切れたものは接着剤でつける。癒着しているものは、たいていはローラーにテープがくっついているからそこをはがしてやればいい。念のためテープを幾巻きか引っ張りだしてテープ同士が癒着しているかどうか調べる。左右のローラーにテープがどうやって送られているか確かめて、その通りにテープを戻して、また蓋をかぶせてネジで止めてやればいい。
ときどき特殊なネジが使われているものがあって、その場合はふつうのドライバーではあけることができない。そのときは力づくで無理やりに箱をこわして中身のテープをとりだして、別の箱にテープだけ移しかえる。規格は同じだろうからそれでいける。
しかしホント、おれってオタクをやってるよな。
[2004/11/17 記]