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■酔田振男の酔いどれ前のひとりごと■

〜『酔いどれオマージュ』をなんとなく書いた男の、ちょっとだけマジメなひとりごと…〜

vol.43 応相談


 久しぶりに神田神保町へ行った。

 書泉グランデという新刊本扱いのビル、ここは神保町へ行ったら必ず立ち寄る本屋で、ボクシング書籍とビデオテープが目当て。気に入ったものを何点か買ってから、古本屋を流して歩く。腹がへったら神保町交差点近くで立ち食い蕎麦をすする。古本を買ったついでに抱えているボクシング本やビデオを古本と一緒に自宅へ発送してもらうのが常だった。

 3Fか4Fのフロア入口近くにボクシング関連の書籍やテープが置いてあったはずが、こんど行ったら2Fの奥に移動されていた。それはいいのだが、ボクシング・コーナーが縮小されていたことにがっかり。向かいの棚のプロレス・コーナーには低迷を噂されても、ビデオと書籍がぎっしりで、おれを見てくれ、あたしを見てよと、かまびすしく、なんとも羨ましい。

 ホームページや雑誌で過去の試合の解説を見かけるが、興味がわいてその試合のフィルムを見たいときはどうすればいいのだろ。わたしも知る範囲で過去の選手や試合を書いたが、じゃ見たいと思われた方は、おられるかどうか分らないが、どうされるんだろ。身近に入手可能な環境があればいいが、そうでなければ、ちらと興味がわいても、すぐに入手できなければ、わさわさした世の中でいつしか興味を抱いたことすら忘れてしまい、その時々のはやりものを追いかけるに忙しくなってしまう。それがスタンダードな姿勢なんだろが、そうなると今っていうのはボクシングにとってかなり不利。

 目にしていない選手や試合に評価をくだすわけにはいかず、写真や記事から想像したり、記録をたどって類推したり、当人や関係者から話を聞いたりと、ひととおり手を尽くしても、やはりスポーツは動く絵がないと物足りない。目のあたりにした人は頭の中に絵があるからいいけれど。

 ボクシングマガジン編集長だった山本茂氏がボクサーの伝記をよく書かれていたが、短くていいから本とセットでそのボクサーを写したビデオテープがついていれば、だいぶ古いが、胸キュンだったろう。

 あるいはボクサーを扱ったドキュメンタリー番組なんかで、ほんの数秒、そのボクサーの試合や練習風景が出てくることがある。なんだ、ちゃんとフィルムがあるじゃないか、あるならもっと流してくれよ、おしゃべりもちゃんと聞くから、白黒のその映像をもっと流してくれと、ついつい祈る。新しきを知るには古きをたずねるらしいが、たずねようにも、ことボクシングに関してはあんまりアテがない。

 インターネットが普及して、居ながらにして欲しいものが手に入るということになっているが、入手困難なものはいつまでも入手困難だし、ビデオテープは表立った売買がむずかしいし、昔は家庭用ビデオなんてなかったし。

 以前、見ず知らずの人からビデオテープのリストが届いて、ダビングしますなんて、一瞬わくわくしたけど、リストは貧弱で、WOWOWの1放送5千円、人気ボクサーのものは8千円なんて、足元みたつもりなのか、元手を取り返すつもりなのか、価格破壊の時代にそりゃないぜと思った。

 1930年代から70年代までの内外のテープ、見たいなあ…。価格応相談。

[2004/06/16 記]



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