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そもそもライバルというものがわかっていないんだなあ。
自分を高めてくれる競争相手、ここまではわかるがその先がわからない。当人だけの勝手な思い込みだったり、宣伝のために周りがライバルと決めつけているだけだったり、靴とか手袋とか、ペアではじめて用をなすもののように、ライバルというのも一人では成り立たないと信じ込んで、いつのまにか言葉だけが一人歩きをしているような気もしたり。
それでもライバルは無いより有るほうがいいとはよく聞くことで、思い込みだろうが独りよがりだろうが、それによって自分がいい方向へ行くのなら結構だけれど、目測を誤って、嫉妬に狂ったり自己嫌悪になったりしたらたいへんだ。恋愛模様に似ているか。あいつにだけは負けたくない、なんて力んだことはあったかなあ。
その時々で拮抗する二人のボクサーの戦いを固唾を呑んで見守ればいいだけのことで、ない頭でライバルって何だろうなんて、小むずかしく考えることはないんだけど、一方でもやもやしたものがあるんだよなあ。
ライバルとして認知されているだろう近年著名なところを拾ってみる。
マイク・タイソンとイベンダー・ホリフィールド。
ホリフィールドがタイソンを追いかけて、嬉しや、つかまえて肩を叩いたら絶世の美女のはずが振り返ったその顔には老いの影があった。
モハメド・アリとジョー・フレージャー。
アリのいない間に王冠を戴いたフレージャー。雌雄を決しなければならないと世界中が思った。アリまさかのダウンにショック死した人がいたとか。
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「ショウ・ダウン」というキャッチフレーズをいまだに覚えているのは、きっと興奮していたからだろう。
…などなど書きちらしてはみたものの、これらははたから見たライバルで、当時の彼らの胸中はどんなものだったのか、その胸の内を見られるものなら見たかった。
翻って自分に問うても、やっぱりライバルなんていう存在はなかったし、ライバルは自分ですなんて言うのはそれなりの資格がいることで、そんなこと口走ったら貶められるだけだから言わないし、そんなこと思ってもいないし…。
でもねえ、たとえばロベルト・デュランがエステバン・デ・ヘススの病床を見舞ったという話が頭に残っていたりして、もやっとしたものがあるのも事実で。
話がまとまらないねえ。こういう場合はゲタをあずけるしかない。
あなたには、ライバル、ありやなしや。
[2004/04/28 記]