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アルファベット3つ並べてタイトルマッチ。
WBA、WBC、IBF、WBO、WHO、WBU、UCC、IBC、IBM、WWWドットコム、えーと、あと、暫定王者、インターナショナル王者、名誉王者、それから、あれは何だったんだろ、マイケル・スピンクスがタイソンとやる前に、たぶんファイト・マネーを吊り上げるために陣営が仕組んだんだろうが、大衆王者みたいなことを名乗った。そうでしょ、ご隠居。
ラリー・ホームズやアーロン・プライアーといった実力者がIBFに移り、これだってボクサーが先かIBF発足が先か分らなかったが、いつのまにやらチャンピオンで、トーマス・ハーンズがWBOを奪って、五冠と認めるかどうか…。
ご隠居、困りませんでした? おれ困った。負けじとレナードもラロンデと2つのタイトルかけて、一気に「5冠」。
物語がなくなって、あるのは誰と誰が戦ってどっちが勝った負けた、ベルト何本巻いたの記録だけ。データの収集整理で関係者はたいへんだろな。ひとり高笑いはプロモーター、乱れ飛ぶのは桜吹雪か札ビラか、2冠3冠は当り前、これからは5冠も6冠も奪らなきゃならぬ。ならぬはずだよ客がない。でもさ、たまには頼むよ、圧巻を。
マイナー団体はマイナー団体として扱えばいいってね、あっさり言われてもさ、チャンピオンと名がつけば、タイトルマッチと銘打たれれば、神仏に及ばずとも、それなりのものと崇めたい。そうだろ、ご隠居? おつむのてっぺん何もない、あるわけないよ先がないってね。怒っちゃいけない、怒ったら負けよ、ピッ、ポッ、パ。
そこへやってきたのが若旦那だ。若旦那ったって、アケガラスとはわけが違う。酸いも甘いも知ったそばからポイ捨てして、ロープつかんで、くるっと回ってリングイン。あれ見るうちに、マットがぬかるみに思えてきた。だって、マットに降り立ったときの足の運びは、どう見たってガキがわざとドロをはねあげているようでしょ。みんなの顔にドロ塗って、塗られたみんなは大喜びで、困ったことにめっぽう強い。相手は当然泥だらけ。
プリンスとは名ばかりの唯我独尊、傲岸不遜、もひとつおまけに大胆不敵。許さんと目くじら立てよが何しよが、いや、ご隠居、あんたじゃない、変幻自在の電光石火。権威もクソもなくなって、こうなりゃとことんやってくれ。
王者の称号、コンビニ弁当。その場かぎりのおいしさで、あとは言うまい、言わぬが花よ。負けたとて一敗地にまみれたわけじゃなし、消化不良のたまり場は、ウンコすわりの待ちぼうけ、時間ばかりが過ぎてゆく。
おーい、出てこい、若旦那。ご隠居もお待ちかねだよ。
[2004/04/14 記]