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実況と情に訴えるナレーションと音楽、それらを織り交ぜて、ダウンシーンも満載でした。
終わったばかりの試合を観ていたときとは違う面白さがありました。言葉のせいか、当時の生活が窺えるからか、洋モノより和モノのほうが臨場感がありました。製作スタッフにボクシング好きがいたんでしょう。
日本テレビの思い出の名勝負で、「西城正三 vs アントニオ・ゴメス」がありました。誇張はあっても、知らない人があれを見たら、西城正三というボクサーに関心を示しそうな、いかにも日本人好みの作りになっていました。うまいもんです。
このごろは判定試合が多くて、また二つ三つ試合を重ねたり、時間枠が短くなったり、生放送なかったりで、あまりやりません。人気もなさそうですし、かつてのスター選手への馴染みも薄れていっているんでしょうか、番組を作る側にもボクシングが好きな方が少なくなったんじゃないでしょうか。
この先、よほどの選手が出てこないかぎり、名場面ダイジェストの放映は見込めそうもありません。裏返せば、思い出の名勝負とかKOシーンとか、そういうものの放映があるということはボクシング人気があるということに、あの、風が吹けば桶屋が儲かる式の、めぐりめぐってそういうことになるんじゃないでしょうか。
でもね、潜在的には皆さん期待してると思うんですよ。皆さんとは、生きている人ほぼ全員ってことです。凄い試合なら皆さん手をとめ足をとめ、勝負の行方を見守るはずです。何かあるんじゃないかと思って会場に行きテレビを見るんですよね。見栄えのしない、だらだらした、どのラウンドも金太郎飴のような同じ展開で終わる試合ばっかりだと、新しくボクシングを始める人も見る人もいなくなってしまいそうで、そうして誰もいなくなって、深夜番組の穴埋めで過去の名勝負を気まぐれにやっているなんてことに、まさかそんなことはね。
誰かやってくれませんかねえ。日ごろボクシングなんか見向きもしない女ども男どもを立ち止まらせる、凄い試合を。
そうすれば若い人の手になる新しい名場面ダイジェストにも、遠からずお目にかかることが出来るでしょうに。
[2004/03/31 記]