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■酔田振男の酔いどれ前のひとりごと■

〜『酔いどれオマージュ』をなんとなく書いた男の、ちょっとだけマジメなひとりごと…〜

vol.9 徳山攻略法


 速いステップインからの的確な連打ができれば、なんていうことはないんだけど、なんていうことがなかなか出来ないのが世の常だからね、困ったもんだ。

 相手との距離にとてもデリケートで、打たせずに打つことをよーく考えている。顔を突き出して、無防備のようだけど、これ、頭部まで触覚にしてるんだろな。急所を逆手にとって攻撃の前線基地に使う。元気な頃のシュガー・レイ・レナードもこんな感じがあった。やりそこねるとひどいしっぺ返しがくるけど。

 徳山って、どうってことないボクサーに見られがちだけど、ふところ深い。このふところの深さが彼の生命線。

 よくリーチの長さで有利不利を言うけど、もう信用しなくなった。リーチがあるからって、ふところ深いとは限らないし、パンチが届くとは限らない。徳山のリーチがどれくらいか、資料ないからわからないが、単なる長短では計れない。

 徳山をつぶすにはこの生命線を断つことで、それには方法が三つある。

 速いステップインからの連打がまずひとつ。

 次はロングからのアッパーカット。これはみえみえでアゴを狙う。当ればいいが当らなくてもいい。勇気と向上心をもって、しつこくロングアッパーをくりだす。右ストレートをラクに合わせられるだろうけれど、突き出した顔を引っ込ませるため、とにかく打つ。フックは使わずストレートとアッパーで勝負する。前へ向かうパンチを多用する。デラ・ホーヤがヘナロをやぶった試合が参考になる。

 最後はつまらないことだが、こわれていくのを待つ。

 なあんて、外野は勝手なことを言うものさ。あなたがいるおかげで世界レベルの試合や選手をまじかで観られるから、もっと防衛をしてもらわなくちゃいけない。

 ただ、実績のわりに不人気なのは気の毒だ。とかく日本人って奴はよそ者を白眼視するものさ。その白い眼をいちばん感じているのはきっとあなただろう。気持のタフネスは、はたからじゃ、なかなか見えない。見えたほうがいいのか、見えないほうがいいのか、たぶん、どうだっていいんだろな。

 次のファイト、愉しみに待ちます。

 なあんて、外野はすぐにテノヒラ返すものさ。

[2003/09/17 記]



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