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それでもチャンピオン名鑑の中の一人、という域を出なかった。
印象深い試合はある。
ビル・コステロ戦。
記録では、ポイントをとられていたが4R逆転KO勝ちとなっている。
ずっと彼を見てきた人なら、様子がちがっていたことがわかったはずだ。肩や腕でパンチをうけて相手の力量を測ることはせず、初めから倒すタイミングを計っていた。ロープに詰めてコンビネーション、最後は右を打ち抜いた。その背中が“時間がないんだ急ぐんだ”と言いたげだった。
ボクサー・ファイターのアルゲリョがファイターになって、ふたたび浮かび上がろうとする元チャンピオンの息の根をとめた。
日本では浜田剛史の時代だった。
べつにファイターがいいというんじゃない。
アレクシス・アルゲリョという稀代のボクサーをうまく語れずに、長いこと困っているだけ。
名試合の誉れ高いアーロン・プライアー戦にしても、仕事でテレビ東京を見られなくて、ボクシングには興味の薄い友人に録画を頼んだ。その友人が「すごい試合だった!」と、その夜のうちに息せききって職場にテープを届けてくれたことのほうが、試合そのものより鮮明に残っている。
アルゲリョ相手じゃ、プライアーは歯が立たないだろうと思っていたけど、まさかあんな試合になるとはね。
[2003/07/30 記]