トップ通販案内編集部より
EDITORS report〜編集取材記〜
Web連載掲示板ど忘れ確認用! 資料編MAIL
ボクシングジムLINKボクシング情報LINKその他LINK
■“あたし”のボクシング 〜ウエキョンの女子ボクシングレポート〜■

vol.30 "SET FIRE!" 北沢タウンホール大会

文/上杉 京子,霜山 綾司[Report by Kyoko "uekyon" Uesugi, Ryoji Shimoyama]
写真/根岸 朋子[Photo by Tomoko Negishi]

* * * * *

 6月12日、久しぶりに古巣・北沢タウンホールに戻っての女子プロボクシング。昼の部(DAYTIME SHOW)と夜の部(NIGHT SHOW)の2部構成で、多くのフレッシュマッチからタイトル戦まで盛り沢山。今回は、久々の女子観戦である編集部のC級ボクサーと、交互にレビューです!(文中敬称略)


サウスポーの新人アンリは、勢いで押しまくった!
= 昼の部■DAYTIME SHOW =

★54.5キロ契約 〜2分4R
アンリ(山木)
<TKO 4R 0分31秒>
中村 絵美(MAX)

 今大会に出場するツバサ、ツナミ、そしてこのアンリは山木ジムのイチ押しルーキー3人娘。3人とも学生時代は女子サッカーでかなりの腕前だったらしく、運動神経には自信がある。

 ピンクのエクステンションをつけてまずはアンリが登場。デビュー戦らしく緊張した表情。一方の中村は口を真一文字に結び、気持ちの強そうな雰囲気だ。

 2R早々、サウスポー・アンリの右フックからの左ストレートで中村ダウン。中村はサウスポー対策ができていないのか、アンリの左ストレートをまともにもらう場面が目立つ。

 3Rにもダウンを追加したアンリは続く4Rに、左で相手の顔を跳ね上げると、素早い連打でストップを呼び込んだ。(霜山)

* * * * *


2戦目の西田は、鋭い連打で近藤を圧倒
★47キロ契約 〜2分4R
西田 久美子(フリー)
<KO 4R 1分18秒>
近藤 みゆき(B.I.T.)

 西田のムダのない作りこまれた体とプロ選手らしくなった表情。その変わり様に、まず期待が持てる。そして、女子ボクシングに力を入れている愛知のB.I.T.からの近藤。

 序盤から、互いに攻め込む激しい連打戦。

 西田のコンビネーションがいい! アッパーとフックを巧みに細かく操り、確実にあてていく。カウンターも確実だし、何より左が強い! 2Rあたりから西田のジャブで何度か近藤がふらつく。

 3R、近藤、巻き返しをはかるも、西田の連打をまともに浴びダウン。4R、西田の突き刺すようなアッパーからフックを浴びてダウンを喫したところでストップに。(上杉)

* * * * *

★53キロ契約 〜2分4R
YUMI(名古屋BS)
<KO 1R 1分59秒>
山木 うの(京都野口)

 1、2試合目がびっくりするぐらいレベルの高い内容でちょっと得した気分。第3試合は名古屋と京都にあるジム同士の対決。

 YUMIに比べると随分長身に見える青コーナー山木。リーチ差を生かしたいところだが、のっけから接近しての打ち合い。こうなると馬力と回転数で上回るYUMIが有利。右フックでダウンを奪うと、そこからさらにラッシュ。山木がロープに詰められ下を向いてしまったところで、レフェリーが割って入って終了。1R1分59秒、ラウンド終了間際の決着だ。(霜山)

* * * * *


3Rから盛り返し、ダウンを奪ったアヤカ(左)が激闘を制した
★ミニフライ級 〜2分4R
アヤカ(チームクロス)
<判定>
森山 晶(フジワラ)

 最近私と根岸嬢がイチ押しするのが、アヤカ。アイドルのようなルックスに派手な登場パフォーマンス。それだけではなくこの期待の新鋭は、ボクシングセンスもハートもある! 対する森山はデビュー戦。

 確実に相手の動きを見ながら堅実に動き、パンチも重そうな森山に、アヤカの持ち前の端切れよさが全く出ない。1R終盤森山の右カウンターが命中。2Rもとにかく前へ行く森山に、足で逃げるしかアヤカ。

 森山が若干優勢に見えた前半だったが、3Rからハートの強さを出したアヤカの右が当たり始め、4Rでは壮絶な打ち合い。不敵に笑みを浮かべる森山に、流血のアヤカも応酬し前へ出、とうとう森山のダウン。ニュートラルコーナーへ真直ぐ行けないくらいふらついているアヤカ。最後は気持ちの戦い。

 38-37、39-37、38-37でアヤカの判定勝ち。(上杉)

* * * * *

★フェザー級 〜2分4R
塩田 華子(友遊)
<KO 2R 1分24秒>
東郷 理代(L-1)

 3勝3KO1敗の東郷とこれがデビュー戦の塩田の、一見無謀とも思えるマッチメーク。ライカを思わせるしっかりした体格の東郷だが、塩田もパワーのありそうな体つき。

 勝ち星全てKOの東郷が自慢のハードパンチで襲い掛かると、塩田が強気に応戦。開始から激しい打ち合いになった。塩田の大胆な左フックに大きくぐらつく東郷。2Rには早くもスタミナ切れで棒立ち状態になる。最後は左フックをあごに受けて戦意喪失。塩田が大金星をあげた。

 塩田の重いパンチに今後期待がもてそう。(霜山)

* * * * *


「辛うじて勝った」と、上村(右)は再起戦を振り返った
★セミファイナル/50キロ契約 〜2分4R
上村 里子(フィオーレ)
<判定>
林 一実(B.I.T.)

 昨年10月、中国遠征の北朝鮮戦でかなりのケガを負い、長い間治療を余儀無くされてきた上村(vol.25参照)。この日もまだ後遺症で麻痺が残ったまま。「痛さが少なくてラッキーです」と屈託がない。この日は8カ月ぶりの復帰戦。金髪にピンクラメの衣装と、ショーアップも忘れない。

 対する林は、武道歴10年。全く異なるタイプのこの2人、やはりあまり噛み合わないまま時間は過ぎる。林は手数は多いのだが、形が余り出来てないからか有効打に結びつかない。

 2Rではガードも下がって来てパンチをもらうように。しかし果敢に前に出るので、上村もリーチを生かしたジャブが出しづらい。4Rでは組み合っての攻防。

 39-39、40-39、40-39で上村の判定勝ち。(上杉)

* * * * *

★メインイベント/フライ級 〜2分4R
藤本 りえ(KAKINUMA)
<判定>
久保 真由美(鴨居)


 
 センスたっぷりのボクシングを見せてくれる藤本りえ。悪魔をモチーフにした、かわいらしい衣装で入場。昨年7月、王座挑戦権を賭けた山口直子戦に敗れて以来、11カ月ぶりのリングとなる。

 一方、ボクシング歴8年のベテラン久保は現日本フライ級王者・猪崎かずみと同門。藤本の猪崎への挑戦を阻むとともに、自身も藤本を破ってランク入りを狙う。

 藤本はリングを回りながらボディストレート、右のクロスをかぶせ、スピードで優位にたつ。1、2Rと着実にポイントを重ねていくが、頭を低くして粘り強く手数を繰り出す久保の前に、次第に消極的になっていくのが分かる。地味ながらも試合巧者ぶりを発揮する久保が一進一退の攻防に持ち込んだ。

 判定は3-0で藤本の勝利。

 今回は控え室まで行ってもう一仕事。藤本の話を聞いた…。


「ホントは倒して勝ちたかったけど…」11カ月ぶりのリングで試合巧者の久保を下した藤本
▼試合後・藤本りえのコメント…
「前回負けたので、今日はどうしても勝ちたかった。久保さんのパンチはよく見えてたんですけど、パワーがあるので、カウンターをもらわないように気をつけてました。前回の山口戦では、1Rでいけると思ってたら倒されちゃって負けたんで。それはもう繰り返さないようにと。すごく冷静に戦えたんじゃないですかね。
 ホントは倒して勝ちたかったけど、勝ちに徹しました。こんなところで足踏みしているヒマはないので。今後は3カ月くらいでリングに上がって、猪崎さんへの挑戦を待ちたい」(霜山)

* * * * *

 さて昼の部が終わり、ここで2時間ほど時間が空く。八島有美の元気な姿に挨拶。そして、女子ボクシングを長く書き続けている松本幸代さんにも、初ご挨拶。4人で近くにお茶しに。フレッシュマッチのレベルの高さに驚く話をする。

 が、天気が良かったこともあり、私と霜山の“ボクサー組”はいそいそとビール(笑)。しかーし、3日前に1年ぶりにスパーリングを復活した私の脳は、このビールに過剰反応。酒はボクサーにはやはりまずいっすね‥‥。(上杉)

☆ ★ ☆ ★ ☆

= 夜の部■NIGHT SHOW =

★55キロ契約 〜2分4R
ツナミ(山木)
<TKO 3R 1分25秒>
落合 美紀(MAX)

 夜の部のトップで登場した山木3人娘。のツナミは、これがデビュー戦。やや小柄ながらもバネのある動きを披露した。

 アップライトの構えから基本のよくできたボクシングをするなあ、という印象。落合は鼻から出血しながらもよく手を出して奮闘するが、目の良いツナミが次々とカウンターを決めいく。3R、落合のアッパーの打ち終わりガードが開いた所に連打をまとめると、たまらず青コーナー陣営からタオル投入。アンリに続き、ツナミもTKO勝ちでデビュー戦を飾った。(霜山)

* * * * *

★フェザー級 〜2分4R
沢田 真理(MAX)
<ノーコンテスト>
柳川 舞(シュガ−レイ)

 沢田はMAXという女子だけのボクシングジムを経営したり、長く女子ボクシング界に貢献。柳川は福岡シュガーレイからのデビュー戦。柳川は『ミリオンダラー・ベイビー』の主役のような髪型でかっこよく、いい動きを見せていたが、いかせん沢田の動きが見ていて恐くなるほど稚拙で、これはプロの試合としては‥‥と思ってしまった。いまのところ女子は年齢制限がないが、それなら息の長い選手には定期的にテストをした方が危険を回避できるのではないだろうか。と、僭越ながら意見しておきます。

 試合は、1R終了時のバッティングにより、沢田が頭部を負傷したためノーコンテスト。(上杉)

* * * * *

★フライ級 〜2分4R
ツバサ(山木)
<KO 1R 1分54秒>
玉木 彩(フジワラ)

 衝撃のデビュー戦を飾ったツバサの2戦目。長らく女子ボク界を引っ張ってきた八島有美が引退し、ライカが世界王者から転落した今、待望のホープが現れた。シンボルカラーのピンクを全身にまとい、華のあるリングイン。今日の相手はこれがデビュー戦。ここはきっちり勝っておきたいところ。もちろん玉木は、この金の卵に一泡ふかせようと気合い充分。

 試合が始まるとすぐに、ツバサの身体能力の高さが分かる。かるいフットワークから打ち込むロングブローが実にダイナミック。左フックから返しの右ストレートで、早くも玉木がストンと腰をつくようにダウン。一発一発、よく腰がまわっていて、フックの切れとストレートの伸びも◯。

 強くなる選手はここできっちり詰め切れるかがポイントだが、立ち上がった玉木にすかさず連打を浴びせてストップ勝ちをもぎ取った。層の厚いフライ級に今後ツバサがどう絡んでいくのか、楽しみである。(霜山)

* * * * *


レベルの高い攻防は、互いに悔しいドローに終わった
★セミファイナル/フライ級 〜2分4R
古賀 友子(シュガーレイ)
<引き分け>
ジェット・イズミ(クロスポイント)

 古賀も、先の上村里子と同じく北朝鮮戦での負傷からの復帰戦。安定した技術を持ちながらも、ここのところ勝ち星に恵まれていなかった。対するイズミは、女子格闘技界のオールラウンダー。ボクシングの方もめきめきと頭角をあらわしている。

 イズミのワンツーでの先制。動きもかなり速くなっている。2Rで古賀のカウンターがヒットしイズミがぐらつくも、イーブンな攻防。双方手は出しているのに防御が上手く、なかなか有効打にならない。

 3Rでコンビや連打が増え面白い運びに。しかしスタミナ切れかイズミのガードが下がってくる。が、4Rでまたイズミが盛りかえす。特に左がいい。

 両者一歩も引かず、40-38、38-40、39-39の三者三様でドロー。試合後、「必ず決着をつけたい」と、赤く腫らした目で古賀が語ってくれた。(上杉)

* * * * *

★メインイベント/日本ミニフライ級タイトル戦 〜2分8R
菊地 奈々子(王者=代々木ブルースカイ)
<引き分け>
池山 直(同級1位=フジワラ)

 菊池の初防衛戦。序盤は池山が速い動きでボディ、フックと、優勢に立つ。2R以降は互角のインファイト。これはスタミナ勝負だ‥‥。最終ラウンドはほとんど足を動かさずにの激しい打ち合い。79-78、77-78、78-78でドロー。菊池がベルトを守った。

▼試合後・池山直のコメント…
「練習してきたことが出し切れなかった。(菊地さんとは)これで2度目の対戦。前回は負けたけど、今回は引き分けという結果で、前進はしたと思います。次は3度目の正直で必ず勝ちます!」

☆ ★ ☆ ★ ☆

 多くの選手とは話しきれなかったのだけど、試合後コメントをしてくれた皆さん、どうもありがとう。お疲れさまでした! 

 好みもあるが、やはり、コスチュームやメイク、ヘアに気を使った選手の試合は、それだけでも見ていて楽しい。「プロ」として、「見せる」ことを意識してほしいと、女子プロボクシングの一ファンとして願う。

 そしてかなりの高レベルだったこの日のマッチメイク。その多くがフレッシュマッチだったことが驚きです。次回に早くも期待 ! ! (上杉)

[2005.6.19 記]


女子ボクシングに関するご意見、ご質問等のメールはこちら
トップに戻る