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■“あたし”のボクシング 〜ウエキョンの女子ボクシングレポート〜■

vol.29 "MILLION DOLLAR BABY"
『ミリオンダラー・ベイビー』プレミア試写 観賞!

文/上杉 京子[Report by Kyoko "uekyon" Uesugi]
写真/根岸 朋子[Photo by Tomoko Negishi]

* * * * *

 クリント・イーストウッド監督・製作で、女子ボクサーを描き、アカデミー賞主要4部門独占した話題の映画ミリオンダラー・ベイビーがとうとう5月28日に公開されました。その直前の25日に記者会見、26日はプレミア試写会ということで、両日とも勇んで行ってまいりました!


5月25日に行なわれた記者会見で、ヒラリー&モーガンに栗山千明(中)が花束を
 まずは25日。場所は東京・新宿のパークハイアット。主演女優のヒラリー・スワンクと、助演男優のモーガン・フリーマンの登場。

 ヒラリーはDiorのドレスがよく似合っていて美しく、意外と華奢。それもそのはず、この映画のために元々痩せていた彼女は、1日数時間の猛特訓で筋骨隆々の体を作ったのだとか。

 モーガンは4回目の来日で、「おはようございます」という日本語の挨拶で会場を沸かす。ヒラリーは初来日。日本や日本人への褒め言葉、クリント・イーストウッドのこと、お互いの印象や尊敬の念などを穏やかに話し、会見は進む。途中「アカデミー賞は、車椅子の人物が出ていれば取れるんです」という、モーガンのブラックなジョーク(?)も飛び出したりして‥‥。

 ヒラリーは実際にパンチを受けるトレーニングをし、しかもトレーナーが「頭が動きにくくなるから」と、ヘッドギアを付けさせてくれなかったとか。顔が命の女優業だと思うのだけど、彼女は「役作りによかった。本物のボクサーの気持ちがわかったし」と屈託がない。女子最強プロボクサーの1人、ルシア・ライカとの戦いが山場を飾るが、決められていた動きを忘れてしまい、ルシアの右フックをまともに浴びたそうだ。

 31歳でアグレッシブに夢を追う女性を、自分に重ねて好演した彼女の存在がなければ、この映画のここまでの成功はありえなかっただろう。


28日の公開初日、舞台挨拶を行なったヒラリー&モーガン
 そして翌26日は、お台場のZEPP TOKYO。

 前日もそうだったけど、人の数の多さに加え、熱気がすごい。そしてモーガンとヒラリーが登場すると、溜息にも似たどよめきが。話の内容は前日とほとんど同じだったのだけど、モーガンが、「日本の文化を尊敬している。特に武士道が素晴らしい」と話し、嬉しく思った。

 イーストウッドからのメッセージも上映され、「ヒラリーは『Boys don't cry』の成功の後、小さな役ばかりの時代が続いた。その女優としての思いが、マギー(今回の主役)がボクシングをしたいという思いに重なった」というくだりには、何か重く訴えるものがあった。

 そして、待ちに待った映画を観賞。一足先に試写を観た根岸朋子嬢からは「これで女子ボクシングがブレイク、はしない、ですね‥‥」と何やら含みを持った一言を言い渡されていて、その他の前情報は特になかったので、フラットに見始める。

 で、うーん‥‥、参った‥‥。これからボクシングを始めようとしている女の子には、あまり勧められない?

 もちろん映画としては素晴らしい仕上がりです! しかし‥‥暗い、重い‥‥。そして‥‥(この先は言えないけど)。

 パンフに「これはボクシングの物語ではない」と監督の言葉がある。うん、確かに“ボクシング映画”として観ると、いくつも不満な点がある。しかし、究極の天から地への転落、栄枯盛衰、その儚さ、この映画の持つその強さは、やはりボクシングの魅力に通じるものがある。と、先程根岸嬢に言われて気づいた。

 そして、女子ボクシングがモチーフとなって、ここまでの大作映画が全世界で上映されたということだけでも、私たちはヨシとしよう‥‥。ちょっとシュン‥‥だけど。

☆ ★ ☆ ★ ☆

 気を取り直し!

 来たる6月12日(日)、東京・下北沢の北沢タウンホールにて、女子プロボクシング興行が催されます。今回は2部構成でフレッシュマッチから日本ミニフライ級タイトルマッチまで、盛り沢山です!

http://www.jwbc.jp/002.html

[2005.6.1 記]


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