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トシオカ☆ニシアキの【Special Ring Side】

〜時には取材者のように!?・海外ファイト[ビデオ]観戦記〜

=March 19, 2005=
--vol.06-- Erik Morales vs. Manny Pacquiao
=MGM Grand, Las Vegas, NV=

「日本の若者が独特の悲しい顔をしているのは、自分のやっていることが海の向こうで通用しないってことが、なんとなくわかっちゃってるからだ」(村上龍)

『ジャパン・プレゼンテーション 世界に伝わる広告スキル』(杉山恒太郎著、角川書店)という本を読んだ。内容をざっくり説明すると……バブル華やかなりし頃、日本のCM制作者たちは「我が世の春」を謳歌しまくっていた。当然、世界にも通じると思っていたら、カンヌ国際広告祭で落選しまくる。それに対して著者がとった分析と対策を、わかりやすく綴った本だ。

「日本の市場は特殊だから」という言い訳を隠れ蓑に、世界のマーケットへの挑戦を尻ごみしている(人様のことはいえないのだが)日本人へのエールを送っているとも取れるし、見ようによっては皮肉とも取れる。読み終わってそういう印象を持った。

 この本のなかで著者が引用していたのが、冒頭の一文だ。

 マニー・パッキャオは、いつもきょとんとした表情をしている。決して悲しげには見えず、むしろ楽しげに見える。レーロ・レドワバを6ラウンドTKOに下してIBF王座を強奪したときから、それは変わらないのではないか。

 それはなぜか? 理由をこんな風に考えてみた。

(1)そもそもフィリピンは出稼ぎ大国で、食うためには海外で稼がにゃならん。悲しい顔してるヒマなんぞないのだ。
(2)おれのパンチが当たればどこでも誰でも倒せるという自信。
(3)マジで何も考えていない。


バレラを負かし、モラレスをも…勝てはしなかったものの窮地に追いこんだマニー・パッキャオ(左)。進化なんかしなくていい。変わらないでいてくれ!
 まあ…「(2)+(1)」が妥当でしょうな。あの顔を見ると、(3)のようにも思えるのだが…。

 マルコ・アントニオ・バレラ戦に始まった「大物メキシコ人狩り」はついに、エリク・モラレスに黒星をなすりつけられ(もっともファン・マヌエル・マルケス戦も引き分けだからアレなのだが、あんだけ倒してればね)、いったん停止。それでも、最後はモラレスがサウスポーにスイッチせざるを得ないところまで追い込んでみせた。

 相手が大物だろうと雑魚だろうと「なあに、構うもんか」な姿勢には、まるで悲壮感がないのが見ていてとても心地よい。

「行って殴ってカネ稼ぐ。ただそれだけのことじゃないか」

 そう言われているような気がしてくるのだ。世界に通用するだの何だの、なんて解説をさえぎるように。

 パッキャオは、今後も変わらない気がする。これからも、舞台が用意される限り、「悲壮感全然なき激闘」を見せてくれるのではないだろうか。ただ、モラレス戦ではいままでよりもボクシングが“進歩してしまった”ように見えたところが私には気がかり。もっとガサツな戦いぶりが見たいのだ。

 パッキャオよ、もっといい加減に、もっともっとちゃらんぽらんに戦ってくれないか!? … ダメっすかねえ。

☆ ★ ☆ ★ ☆

 ところでパッキャオって、フィリピンに帰れば一生暮らしていける程度は稼いだのではないだろうか。でも遠からぬ将来、使い果たすような気がするんだよなあ。

 そうなった暁には、「噛ませ」のフリして日本に来て試合やってくんないかな。いまの「生パッキャオ」を日本で見るのは無理だろうけど、残り火くらいならホールで見せてくれてもいいと思うんだけどな。

[2005.6.9 記]



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