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トシオカ☆ニシアキの【Special Ring Side】

〜時には取材者のように!?・海外ファイト[ビデオ]観戦記〜
写真協力:山田 純夫 ◇ photo by Sumio Yamada

=September 25, 2004=
--vol.02-- Glen Johnson vs. Roy Jones Jr.
=FedEx Forum, Memphis, TN=

 高校のときの化学の教師の話。滑舌が悪いせいか、いつも同じところで「噛んで」いた。

「これは、“かぎゃくはんのう”だから…」

 いつも同じ「かぎゃく」のところで噛む。「かがくはんのう」って聞こえるのだ。当時でもう何十年も教壇に立っていた人なので、「M(教師の名前)の“可逆反応”」はある種の名物だった。


金星を上げたジョンソン。このあと、同じジョーンズを破ったターバーをも退けた!
 可逆反応とは、「A+B→C」という化学式があったときに「C→A+B」という反応も起こりうるものを指す。その逆に、一方通行のものを不可逆反応という。

 たとえが合っているかどうか、かなり怪しいが、豆乳ににがりを打って豆腐にするイメージ。タンパク質が凝固してしまっているから、これはもう元には戻れない。

 逸れた例え話が長くなったが、ロイ・ジョーンズの、ライトヘビー級復帰後の一連の拙戦は、つまり、そういうことなのではないかと思う。

 対アントニオ・ターバー第1戦では、確信が持てなかった。第2戦でのKO負けも、気持ちが攻撃偏重になっていたがための“事故”と考えられなくもなかったし。

 しかし、このグレン・ジョンソン戦で、ジョーンズが変成してしまったことを、今度こそ実感させられてしまった気がする。

 ミドルからスーパーミドル、スーパーミドルからライトヘビーという増量と違って、ライトヘビー級からクルーザーを「飛び級」することはつまり、にがりを打って「豆腐」になってしまったということ。タンパク質は「変成」してしまっている。これは不可逆反応だから、もう元に戻ることはできないのだ。


2戦続けてキャンバスに背中をつけたジョーンズ。再増量して、ちがう「味」で勝負する姿を拝みたい・・・?
 下からクラスを上げていきながらヘビー級の世界チャンピオンになる、ということは、天才ジョーンズをしても、そのくらい大きな代償を求められる(払わされる?)冒険なのだ。たとえ相手があのジョン・ルイスであったとしても。

 そして、「変成」したジョーンズが175ポンド(ライトヘビー級)へ復帰することはつまり、高野豆腐になってしまうことではないか。

 要は中身スカスカ。元がどんなに高濃度の豆乳だったとしても、だ。…ってまあ、べつに高野豆腐が嫌いだからいうわけじゃないけど。

 そこでひとつ提案。こうなったらもう一度増量する! というのはどうか。だしを吸って新たに吸い込ませた「味」で勝負する、ロイ“高野豆腐”ジョーンズだ。

 といってはみたものの、これも難しいと言わざるを得ないかな。吸い込んだだし汁は、絞ればすぐに流れ出てしまう。子どものころ、煮物の高野豆腐でやって親に怒られたことがあるから、これは確かだ。

 ロイ・ジョーンズ様の前途は極めて険しい、と考えるのが妥当だろう。

 ところで、「可逆反応、不可逆反応」って早口で10回(5回でも可)繰り返して言えますか?

[2005.2.4 記]



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