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■『あしたのボクシング』三好秀樹の怪遊記【21】■

2000年3月11日@ハンセ・ハーレ(ドイツ・リューベック)

WBCクルーザー級タイトルマッチ
ファン・カルロス・ゴメス vs ジョー・シルバンギ

 前年12月に予定しながら、リサーチ不足のため観ることが実現しなかった、チャンピオンの次なる機会という事で、今回は慎重になった。リューベックの観光案内所にEメールで問い合わせると、チケット代などの返事があったのでとりあえず安心した。このとき知人に、同日ロンドンで開催される試合に誘われていたが、自分はドイツを選び、同じ英国航空の一便違いで、経由地ロンドンに向けて出発した。

 ロンドンからハンブルクに到着した時、かなり夜も遅く、雨模様だった。市内へ行くための鉄道駅へ向かうバスが分からず困っていると親切なおじさんジョージがカタコトの英語で案内してくれた。そのおかげで宿泊を予定していたユースの最寄駅まで行くことはできた。傘を持ち合わせていなかったので、小雨に濡れながらユースを探した。しかし、街灯もあまりない場所だったため、かなり迷った。

 バーの表に仁王立ちしていた用心棒に住所を見せたりしながら一時間ぐらい、その近辺を歩き回るうち、丘の上のコースにたどり着いた。夜が明けてみると、ユースから駅へと降りる便利な階段があるのに気付いた。初めての街では、こういうことはよくある。

 中央駅から古びた郊外列車に乗って北へ約一時間の所にある古い街、リューベック。偶然にもホテルが会場の近くで幸運だった。


 雨の降る中、会場へ当日券を買いに行った。箱型の小ぢんまりした体育館で、ポスターなども何もなく、本当にここで試合が開催されるのかという程の寂しさだった。やはりいつも一番緊張するのはチケットを買う時だ。売り切れていないかといつも不安である。時間が早かったのと、雨の影響か、チケットに余裕があり、購入することができた。

 セミ、メインイベントともに世界戦であったが、両ファイトともに2回KOというあっけなさだった。これだけ長い時間かけて来ていると、少し(?)物足りない気分になるのは、自分の勝手だろうか…。

 帰国後、聞いた話しでは、知人が観たロンドンでのファイトは、4回KOだったそうだ。

 経由地試合後、一時的に雨は止んでいたが、翌日雨の中、観光に出かけた。

 街のシンボルでもあるホルステイン門などに行った。この門正面から見ると、片側が地面に沈んでいるため、ゆがんだまま建っているのだ。ハンブルクでは、人造湖のアルスター湖や、古い教会などを見て回った。その途中に目に付いたのはベルリンやハンブルクで予定されているボクシングのポスターだった。

 翌朝、出発便が早かったため、夜明け前にユースを出た。地図に出ていた空港行きバスの停留所へ行ってみたが、それらしいバスは見当たらなかった。ドライバーに聞いてもみんな違うと答えるだけで場所が分からなく困った。結局見付かったバス停は地図とは違って駅前にあった。必ずしもガイドが正確とは限らないんだな…。

 そう言えば駅前に止まっていたタクシーはみな「ベンツ」だった。ドイツだから当然か…。

 雨降る3月のドイツは、本当に寒かった。傘をどこで買えるのかよく分からないまま雨に濡れた毎日だった。


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