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1998年6月13日@サンボウル(アメリカテキサス州 エルパソ)
「OSCAR NIGHT AT THE SUN BOWL」
WBCウェルター級タイトルマッチ
オスカー・デラホーヤ vs パトリック・シャルパンティエ
「デラホーヤvsシャルパンティエ」。…この試合はチャンピオンのケガのためこの日に延期になったのだったが、当初観に行くつもりではなかった。ところが、前の週の6月6日にニューヨークで世界ヘビー級タイトルマッチが開催されると発表された。2週続けてのビッグマッチ開催ということで、メジャーリーグ観戦と併せて出かけた。 無事に到着した。JFK空港からモーテルに電話をかけ、迎えに来てもらった。フロントでチェックイン後、ブローカーからの一枚のFAXを受け取ったが、予想もしていなかったことが記されていた。 帰国後、新聞で知った中止の理由は挑戦者にC型肝炎が発覚したためとあった。その上、検査の厳しいニューヨークでなく、ラスベガスであったならば開催されていただろうとのことだった。 やりどころのない怒りと悲しさで2日続けて、ヤンキースタジアムのマーリンズ戦を観に行った。 翌日マイアミに飛んで、こんどは「マーリンズvsブルージェイズ」。 3回ばかりNFLのドルフィンズ戦で来たこともあったので、ここの不便さはよく分かっていた。ダウンタウンからかなり郊外である。メトロと市バスを乗り継いで約1時間半から2時間ぐらいかかったと思う。幸いにもNFLのマンデーナイト21時開始、MLBは19時過ぎとプレイボールが早いことだ。 投手戦で、1−0のまま地元マーリンズがリードして、8回を終えた。まだ21時過ぎだったのが、ここから更なる展開があろうとは思わなかった。9回裏に同点になり、延長戦に突入。ヒットすらでないまま、途中大雨で中断なんかもあって、2−1でマーリンズがサヨナラ勝ちを決めたのは17回裏。午前零時を過ぎていた。 この時間になると帰る手段がなく、隣に座っていたニューハンプシャー州からのカップルに、ダウンタウンまで乗せていってもらえないかと迫ったりもした。もちろんあっさり断られたのだが、結局試合後、警備員に相談したところ、彼、グレッグが30ドルで送ってくれるという事で一段落。その上ホテルへ電話で宿泊客を送っていくと連絡までしてくれたのだ。帰る方角が違うというのに親切な人だった。サンキュー、ミスター・グレッグ! 翌朝、カンザスシティで「ロイヤルズvsブリュワーズ」戦へ。 5年前に来た時と同じホテルに泊まろうと思っていたが、経営者が変わり、全面改装中で閉鎖していた。5年も経てば、そういう状況変化もあるものだ。 続いて、メキシコとの国境の街、テキサス州エルパソへ入った。雨の降る冬のように寒い日だった。2日後の試合は屋外でのファイトなので不安に陥った。手持ちのお金が少なくなってきたのでユースホステルで我慢した。 やがて東洋系と思わせる青年と一緒になった。建築の勉強で留学中の日本人だった。話すうち同郷の広島出身であり、ローカルな話しであるが、わが実家のある黒瀬町から車で30分ほどの西条町の生まれだったのには、さすがに驚いた。広島の田舎出身の2人がアメリカとメキシコの国境の街で会うのだから、世界は狭いものだ。 この日はスタンドの中段あたりに座っていたが、遠くて肉眼では見えづらかったので、初めて現場にいながらにして、巨大な特設スクリーンで見てしまった。試合はチャンピオンの圧勝だった。マンガを見ているようなきれいなKOだった印象がある。 翌朝3人と別れて、空港に向かった。チェックイン後、ゲートで搭乗を待っていると、見覚えのある人が目に入った。先月、フランス・パリで会ったワールドボクシングの中井さんだった。ボクシングが同じ目的とはいえ、またエルパソで再会するとは、世界は狭いもので。中井さんの方はやはりあきれていたようだ。「こいつやっぱり来てたのか…」と。
試合前日になっての中止発表があったとのことだったが、理由が書かれていなかったため、状況がよく分からず少々混乱気味だった。FAXだけでは納得いかず、会場のマディソン・スクエア・ガーデンへ行くと、ゲートの前に置かれたフェンスに「CANCEL」という単語が目に入った。そばでもう一人それを見た客が怒っていた。日本から観に来る者もいれば、その彼のようにイタリアから来るファンもいたのだ…。
前日に中止なんてね…。もぎられずに残っちまったチケット。
その後バスでロサンゼルスから移動してきた友人2人も加わった。試合当日、自分が誘ったため、みんなボクシングに行ってしまった。UTEPの構内にあるフットボール用のスタジアム、サンボウル。その日は強風で、照明を設置してある。やぐらがかなり揺れていた。観客のほとんどがチャンピオン・デラ・ホーヤを応援するメキシコ系ばかりで凄い盛り上がりだった。