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あの頃はまだ海外旅行に行ったことがないどころか、パスポートさえ取得していなかったにもかかわらず、“抽選でご招待”の募集を見て応募したものだった。時がたちタイソン服役後、キャッチフレーズ通り「FINALLY(ついに)」実現したのである。
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FEDEXで届いていたチケットを受け取り、ホテルの向かい側のマックに入って時間を潰した。封を開けて見ると、タイソン・ホリフィールド両者のイラストが印刷されたオリジナルチケットだった。こういうのは初めて。その日の会場はほんとうに立錐の余地もない、まさしく超満員で、今までに経験したことのない盛り上がりに、ゴングが鳴る瞬間は背筋がゾクゾクした。
戦前の予想に反し、自分自身も応援したホリフィールドが勝ち、皆が興奮する中、会場を後にした。アメリカで何度かボクシングを見たが、これまでにない素晴らしいファイトだった。たまにはこういうこともあっていいと思う。
興奮のあまり、誰かとその感動を分かち合いたくて、たまたま近くに日本人の姿が目に入って、勢いで食事に誘ってしまった。話しているうちに驚いたのが、お互いのチケット料金だった。アメリカのブローカーに直接依頼した自分より、日本のエージェントを通して依頼した彼のは2.5倍も高かったそうだ。しかも、たった3列ぐらいしか違わないというのに…。
更に驚いたのが、翌日ラスベガス発のフライトで一緒になった観戦ツアーの人たちだった。ボクシングだけで数万円も払った人たちより、ラスベガスの後、サンフランシスコ、サンディエゴでNFLを観る予定にしていた自分の方が安くおさまっていたからである。幾人かに聞かれたのでいつも依頼するブローカーを紹介しておいた。
人の役に立ててよかった。