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[ Report;R. Shimoyama The Future of Boxing JAPAN ]
福島学のケガで延期になった世界戦の代わりに、この日、メインのリングに上がったのは日本Sフェザー級2位“KOセンセーション”真鍋圭太。85%のKO率を誇る自慢の強打は、ここ2試合判定が続き鳴りを潜めている。
今まで一度のダウンもしたことのない、タフなコリアンファイターが今回の相手。“倒し屋”にとって、決して楽な相手ではないが…。
今年の4月、真鍋はボクシング人生初の大舞台に挑んだ。日本王者・本望信人とのタイトルマッチ。結果は負傷判定により、王者に手が上がった。だが、この一戦はむしろ真鍋の評価を高めるものになる。
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| ▲2004年6月23日撮影 |
「いやー、効きましたねえ。ひざがカクーンときました(笑)」
試合後の控え室で、リング上のパンサーは人なつこい猫のような笑顔でこんなことを話した。
1R、素早いジャブで朴を牽制。まずは自分のリズムを掴むことに専念する。しかしラウンド中盤、朴の左フックが命中すると、これが明らかに効いた。
「油断してたわけじゃないんすけどね、あのパンチは見えなかったです」
このダメージで表情に余裕がなくなった感のある真鍋は、その後もジャブを中心に慎重に立ち回る。俊敏さと豪快さを兼ね備えた迫力ある攻撃が見られない。いつもよりやや消極的だったのでは? と尋ねると、
「そうですかね…!?」
とやや不満げな顔つき。このあたりが、実際に闘っている選手と観戦者とのギャップなのだろうか。
2R、朴のローブローからのバッティングという“ダブルパンチ”(もちろん偶然)で、右目をカット。朴のやや優勢という展開で迎えた3Rに大きな局面が訪れる。
「むこうはなんだかしつこくボディ打ってくるし、嫌いなんすよね、ああいう(体勢が)低い相手って。パンチが当たりにくいじゃないっすか。ああ、こりゃ判定までいくかもなあ、って考えてました。」
3R中盤、コーナーを背負った真鍋と朴が打ち合う。その最中、朴のテンプルに真鍋の左フックがヒット。こちらは「あっ、効いた」と思いながら観ていたが、ここでも試合者と観戦者のギャップが現れた。
「全然効いてねえなって。相手は平然としてるし。やばい、やっぱ判定までいきそーだなって。」
しかし、ここでようやく目覚めた真鍋の中の“野性”。たたみかけるラッシュから最後は右ストレートを相手の顔面にぶち込み、朴は後ろからキャンバスに倒れこんだ。敗者は大の字のままテンカウントを聞いた。
「(右ひじを押さえながら)痛いっす。(フィニッシュパンチの)右ストレートを出した時、完全に右腕が伸び切った最高のインパクトで当たりましたからね。衝撃をモロに受けちゃって」
さぞかし凄まじい破壊力だったことだろう。朴選手には気の毒だが、いいことを聞けたなあ。しかしこんなKO劇を演出できるのだから、いまさらながらに一発のある選手は恐いと思う。
真鍋本人の総括はどうなのだろうか。「今日の試合はワンツーが課題」と言っていたが…
「たしかに倒して終わらせたのは良かった。けど、まだまだ全然。もっとワンツーをコンパクトに打ちたかったので。後輩に『ファイターを相手する時はな、ジャブついて距離とって、ワンツーでいくんだ』って言ってるんですよ。今日はそのお手本を見せるつもりだったんですけどね(笑)」
リングを降りれば、底抜けに明るく謙虚な青年がそこにいた。
勉強途中のワンツーに、真鍋自身も窮屈感やとまどいを覚えているのではないか(今度会ったら聞いておきます)。現王者・本望がタイトルを返上すれば、王座決定戦は間近。この舞台で真鍋はどんなファイトを見せるのか。
今日の経験を踏まえた上でワンツー主体のボクシングをするか、本能を生かしたダッシュ&ラッシュを仕掛けるのか、はたまたこれらが見事に融合した“進化”が生まれるのか。限り無い期待と妄想を胸に、今日はペンを置くことにしよう。
これで真鍋は25戦22勝(19KO)2敗1分、朴は13戦5勝(2KO)7敗1分に。
[2005.10.18 記]
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協力;石川ボクシングジム
special thanks;ISHIKAWA BOXING GYM