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■EDITORS report 〜編集取材記〜■

=2005年6月18日(土)=
元日本バンタム級&J.フェザー級チャンピオン
高橋直人・JBスポーツクラブ会長 ランダムインタビュー

= 東京・JBスポーツクラブ =

あの高橋ナオトに会ってきた! 長いことお話しできました!
でも、アップまで2カ月もかかってすんません m(_ _)m

* * * * *

取材:井上 博雅
[Report & Photo;Hiromasa Inoue The Future of Boxing JAPAN

* * * * *

その2◆ロードワーク論

−−ジムワークのほかにロードワークがありますが、方法や時間は選手一人一人に任せているんですか。

高橋 ジムによっては、たとえば会長が朝6時に全員集合させて毎日やってるところもあるみたいです。うちのジムも、福島学が4回戦の頃だったかな。試合1週間とか10日前とかになると、毎朝5時半くらいに集めてみんなまとめて荒川沿いを走らせたことがありました。でもおれは現役の頃ぜんぶ自分でやったからってのもあるけど…たまにみんなで集まってやるのは気分転換になっていいかなとは思うけど、毎日は必要ないんじゃないかって思いますね。

−−毎日みんなそろってやる必要はない?

高橋 そういう方針のジムもあるから、必要ないとまでは言えないけど、要は自己管理の話じゃないですか。自分が強くなりたければ、会長やトレーナーに言われなくても、なにがなんでも走るだろうし…少なくともウチではそこまでしなくていいという方針です。

−−やれって言われてるからやってるようでは…

高橋 強制的にでも、集めて走らせれば、それなりに力にはなりますけどね。ロードワークしてないやつは、試合ではもちろんスパーリングでも、パンチに足がついてこないんです。だからわかりますよ。スタミナがないですから。4回戦の選手もそうだし、もっと上のレベルの選手もそう。
 スタミナって、単に動き続けるスタミナみたいな意味で言ってる人が多いけど、そうじゃない。そんなんだったらマラソンの選手が世界一スタミナのあるボクサーになれますよ。ボクシングでいうスタミナってのは、攻撃、防御、すべてにつながる追い足、逃げ足です。おれが知ってる中でもいっぱいいますよ、ロードワークしないやつ。そいつの試合どうかっていうと、それなりの試合しかできてないなって思うもん。見る人が見れば、あぁロードワークしてない選手の試合って、こんなだな、こういう試合しかできないんだなって。

−−足がついていってない?

高橋 そう。チャンスでも足がついていかないし、ピンチもしのげない。走ってないか、走ってるとしてもそのやり方がまちがってる。自分のレベルのラウンド数…C級なら4ラウンド、B級なら6ラウンド、A級なら8ないし10ラウンド分の時間を、なるべく全力に近いスピードで走るんです。
 これは僕の目安ですが、10回戦をやる選手なら、最低30分<10ラウンド×3分>です。この30分間、ある程度速いスピードで走り続けられない選手は、10回戦やらせる必要ないと思います。30分プラス、できればインターバルの時間を足した、合計40分くらいをなるべく8割9割の力と速さで走りきれるようにぼくはやってたんで。

−−3分、1分、3分、1分のリズムで、ですか?

高橋 いや、ちがいます。40分なら40分、おれはぶっ通しで走れるようにがんばってました。だいぶ速かったですよ。

−−全力疾走に近いスピードで30分40分走り続ける?


 
高橋 そうです。むかしどこだかの世界チャンピオンがインターバルトレーニングとかいって3分間を8割くらいの力で走って、1分インターバルで、というのを12ラウンド分繰り返したってのを聞いたことあって…おれもやってみたんだけど、それはちゃんとついてくれるトレーナーがいて、その人がタイムを見ながらやってくれないと…自分だけじゃできなかったんです(笑)。だったら、はじめから40分なら40分走りっぱなしでいいかと思ったから。うん。
 まあでも、現実的にずーっと全力で走れるわけないじゃないですか。たまに5割前後の、ジョギング程度のスピードに落とすときもありますよ。それでも、30秒くらい落としたスピードにして、そのあとまたダーッとスピードを上げて。そんな感じで緩急つけて、8割平均くらいの力とスピードで走れれば十分といえるんじゃないですかね。

−−ただ何キロ走ればいいとか、何分走ってればいいとかではないと?

高橋 そうです。最低、<自分がこなさなければいけないラウンド数×3>分、要はフルラウンド分です。インターバルもつけ加えてできるくらいならなお可、ですね。おれはそう思ってやってたから。

−−A級選手なら30分ぶっ通しで走り続けてみろと。

高橋 はい。それにインターバルの10分もプラスすれば、自分のためにもなると思わないとね。

−−ときどき5〜6割に緩めることはあっても、常に8〜9割のつもりで走れと。

高橋 そうです、ハイペースで。さっきも言ったように疲れて文字どおり同じスピードで走り続けられるわけじゃないけど、落ちて疲れて苦しいなりの、8〜9割のハイペースで。それでたまにジョギングレベルに落として、で、またダッシュ。自分でそういう調整をしながらね。

−−試合を想定した“緩急”ですね。

高橋 1時間2時間走ったからいいんじゃないし、30キロ40キロ走ったからすごいんでもないんです。ボクサーはマラソン選手じゃないんだから。ジョギングやマラソンじゃボクシングに必要なスタミナはつかないし…要は無酸素状態にして、それに耐えられるような脚力をつけてかなきゃだめなわけだから。これが[高橋直人的ロードワーク論]です。

−−(頷く)

高橋 だからロードワークしてない選手の試合を見ると、あぁ、全然カカトがついていってないじゃん、て選手がいっぱいいますよ。序盤はまだ酸素がまわってるからいいんですけど、3ラウンド4ラウンドになってくると、チャンスでパンチ振っても、足がついていかないから、それ以上攻めきれないというか、相手との距離を詰められない。あぁ当たんねえな、なんてのいっぱいいますよ。

* * * * *

高橋 でも、おれの知ってるある元チャンピオン・○○○○は、走ってなかったなぁ(笑)。

−−そうなんですか?

高橋 彼は「カーン博士も走らないでいいって本で書いてた」とか言ってましたよ。

−−白井義男さんを教えたカーン博士、ですか?

高橋 そう。なんかの本を読んだらしいんです。で、「ボクサーは走る必要ない」って。でもね、たぶん「マラソン選手のように走る必要はない」って意味で書かれてたんじゃないかと思うんだけど、彼は「ボクサーは走る必要ない」ってとらえてたんです(笑)。

−−「走らなくていい」んじゃなくて…

高橋 そうです。「マラソン選手じゃないんだから、そういう走り方をする必要ない」という意味だったと思うんだけど、彼は「そうか、走らなくていいんだ」って受け取ったみたい。

−−(笑)。

高橋 でも彼がスゴいと思うのは、ほんとにそう思い込めてたこと。キツい仕事をしてふだんから足腰を鍛えていたんで、決してボクサーとしてスタミナがなかったわけじゃないんです。それをね、「いままでなんとなく走ってきたけど、カーン博士がそういってる? そうか走らないでいいんだ」って考えちゃうやつはだめだと思うんです。彼みたいにはじめから鵜呑みにできる、単純に信じ込めるやつで、なおかつ走る以外に脚力をつける土台のあるやつは、スタミナあるんですよ。中途半端に、ラクだから「そうか走らないでいいんだ」と考えて「走らなかったけど大丈夫かなぁ」なんて不安がってるやつは、スタミナがないんです。

−−そんな元チャンピオンがいたんですか。

高橋 いたんです。なんかの取材撮影用だかで、1回走っただけです。本人もそう“豪語”してましたよ(笑)。ただ、さっきも言いましたけど、彼の場合は経済的に恵まれていなかったせいもあって小さい頃からいろんな仕事して、ガンガン脚力が鍛えられてたんですよ。
 ほかの元チャンピオンでは…そいつは家から小学校まで30キロあったらしくて、毎日歩いて通ったんだって。もうそれだけで、おれらとは比べ物にならないくらい足は強いんですよ。そういうのと近頃の現代ボクサーが同じ感覚でいちゃだめ。いま言った元チャンピオンたちがスタミナがないかっていったら、あるんですよ。おれらよりも間違いなく。

−−たしかに。

高橋 日常的な土台がちがうんです。それまでにいろいろ培ってるんですよ。だからそれを最近のちゃらちゃらしたのがマネしたって追いつけるわけないんです。…あ、元チャンピオンの名前は書かないでね(笑)。

−−はい。

高橋 話ズレるけど…よく減量やダイエットのことなんかも聞かれるんで思い出したんだけど、ダイエットってやつは“一生モノ”ですよ。

−−というと…。

高橋 2年前の8月頃、おれは95キロくらいまで増えていて、こりゃダイエットしなきゃってのがあったんだけど、自分に甘かった…というかしたくなかった(笑)。でも、時々取材されたりしてテレビや雑誌に映る自分を見て「ちょっとヒドいな」と。さすがに恥ずかしいと思って(笑)。

−−自分で自分を見て?

高橋 そうです。いくらなんでもこりゃ許せないと思って、本腰いれ始めたんです。やるときゃおれやりますからね。そしたらあっという間に。でもね、ダイエットってのは、落とした状態をキープするのがいちばん大変なんですよ。さっき言ったとおり、ダイエットってのは“一生モノ”なんです。

−−たとえば90キロだった人が70キロにダイエットしようとして、うまくいって70キロまで落ちても、よしもういいや、じゃだめだと?

高橋 そう。そこで食生活を、ダイエットを始める前のレベルに戻したらだめなんです。ダイエットすると、体の吸収力は増すらしいんです。だから成功しても、これからもダイエット食でいこうって思うくらいじゃなきゃいけないんです。それを何年も…おれは一生計画だと思ってるんだけども。そのかわりそういう食生活を続けていれば、たまにガァッとバカ食いしても、まったく増えないです。そんなことを続けちゃったら増えるけどね。ふだんおれは、夜は毎日そば1枚しか食べないんだけど、たまに、月に1回くらいそんな飲み食いをしても、ほとんど変わらないですよ。

−−毎晩そばだけ、ですか?

高橋 そう。日本人の多くの人は夕飯を主にもってきているけど、あれはやっぱり不合理な話だと思いますよ。だって寝るためにエネルギーを蓄える必要はないじゃないですか?  だからおれは、夜はそば一枚しか食べないと決めているんです。体重も2年前に70キロに減らしてからは、ずっとその前後をキープしてますよ。
 …少し話がズレちゃいましたけどね、ダイエット論でした。

[2005.8.18 記]

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協力;JBスポーツクラブ
special thanks;JB Sports Club



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